異物混入問題

「缶スープに虫が混入。メーカーが製品を回収」

いまでも新聞などで時々見かける見出しですが、このいわゆる「異物混入問題」は、2000年の「雪印乳業事件」から端を発したといわれています。
敏感になった消費者とずさんな企業の対応のおかげで、保健所などに異物クレームが殺到し、商品の回収が相次ぎました。回収の費用や風評による被害は、大会社ですらその存続を危うくさせるような大きな被害をもたらしました。

そのため消費者の「食の安全」に対する不信感を払拭する、というのが食品業界全体の現在の大きなテーマになったことは間違いありません。

現在でも、食品メーカーが製品を自主的に回収する事例が後を絶たないことを見ても、「異物混入事故=大損害」の図式は変わらず、むしろ定着してしまった感があります。
そのため最近では、「異物混入対策」に平時の予算をかけることが、「リスクマネジメント」として一般的となりました。また、「食の安全」にまつわる様々な国際標準(ISO・HACCPなど)を取得するメーカーが増えることなどで、食品業界の周辺に様々なビジネスチャンスが生まれているのです。